Smiley face
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「私はまだ(独立に)賛成だ」と記された旗をはおる男性=藤原学思撮影

 英スコットランドの独立が問われた住民投票から、18日で10年。独立を求める世論が小さくなったわけではないが、2度目の住民投票にはいくつもの壁がある。議論の現在地を探ろうと、現地を訪ねた。

  • 「車はあれど行き先なし」 スコットランド、独立住民投票から10年

 青地に白のX型のスコットランド旗が風に揺れる。18日夜、気温15度。スコットランド議会前の広場に、独立を求める約500人の市民が集った。

 「みなさん、10年が経っても、独立の準備は100%整っていますか」。壇上に上がったシンクタンク代表、レズリー・リドッホさん(64)が聴衆に訴えかける。「イエース」。すっかり薄暗くなった空に拍手が響く。

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スコットランド議会前の広場に集った独立支持派の市民

 住民投票は16歳以上のスコットランド市民を対象に行われ、投票率は85%。イエス(賛成)は45%で、反対の55%が上回った。

 調査会社ユーガブによると、最新の世論調査では賛成44%、反対56%。この10年間、世論の動向は大きく変わっていない。

 リドッホさんは「政治家には独立に向けた明確な戦略が見えない」として行き詰まりを指摘しつつ、5割弱が独立に賛成し続けている状況に希望があると言う。特に若者の間では、独立支持が強い。

 10年前に「ノー」が突きつ…

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